就職活動でTOEICのスコアが必要・・・。でもTOEIC は使える英語とは関係ないって聞くし、勉強する意味あるの?
TOEICの勉強が必ずしも無意味とは限らないですよ。そもそもどんな力が測れる試験なのかを正しく理解して、使える英語力の底上げに活用していきましょう!
TOEICは現在、日本では英検と並ぶ二大英語試験となっています。
就職や昇進に有利だからなんとなくTOEICの勉強をしているけれど、2時間という長い試験時間や、高得点を狙う受験者を阻む引っ掛け問題の数々に苦手意識がある方も多いはず。
せっかくTOEICの勉強に時間をかけているのに結局テクニックが重要で、本質的な英語力とは関係ないという話も聞いたりします。
本記事では、TOEICでは何が伸ばせて何が伸ばせないかを明確にし、英語力の底上げにTOEICを利用する方法をお伝えします。
実際にTOEIC300点→930点まで点数を上げ、現在は海外営業として英語でビジネスをしている筆者が分析しました。
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伸ばせる力はリーディングとリスニングのみである
ライティングやスピーキングがある英検と異なり、TOEIC試験はリーディングとリスニングのみです。
TOEICが高い=英語が話せる・書けるではないのは自明ですね。
世の中で言う英語が出来る人とは「英語を流暢に話せる、ビジネスメールが書ける」というイメージが強いので
TOEIC高得点=英語が出来る人とならないことが発生します。
実用的でないと言われる理由
TOEICは英検のようにレベル別に級が分かれている訳ではありません。
帰国子女も英語初心者も同じ試験を受けることになります。
簡単な問題では上級者の得点を測ることができないため、通常の資格試験より難易度が高くなっています。
また、不自然な問題や表現、引っ掛け問題も多いです。
例えばPart1の写真描写問題は、一見簡単そうに見えますが上級者でも間違えるような引っ掛けが1-2問は混ざっています。
写真を見て、一番その状況を自然に表していそうな選択肢があったとしても正解とは限りません。
不自然な言い回しをしていたとしても、写真に写っている単語を使い描写している選択肢が正解となります。
最後に、大学生になると就職対策としてTOEICを受験する方が多いと思いますが、オフィスでのやり取りやビジネスメールに慣れていない学生にとって内容そのものが馴染みが薄いです。
日本語だとしても学生であれば敬語やビジネスメールの言い回しは見慣れないですし、英語であればなおさら違和感があると思います。
初心者がTOEIC勉強からスタートしてしまう罠
私も陥ってしまった罠です。
英語が苦手で英検などの試験を遠ざけてきた人が、英語に向き合わざるを得なくなるのがTOEICではないでしょうか。
大学に入ると、まず初めにTOEICを受験させられた記憶があります。(国際系の学部だったからかもしれません。)
なぜなら就職活動の際に重要になってくるのがTOEICスコアだからです。日本企業のTOEIC熱は凄まじいものがあります。
就職に必要だし、英語の勉強でもしてみるかとTOEIC対策から始めると挫折しやすいです。
もちろん「TOEIC600点を目指す」「TOEIC300点台から〜」などの基礎レベルの参考書もあるにはあるのですが、なにせ扱っている内容がビジネス英語で日頃無縁な内容なのでますます英語の勉強に興味がなくなってしまう恐れがあります。
ビジネスマンの方でも、英語の基礎が出来ていない方がいきなりTOEICの勉強をし始めるとモチベーション維持が難しいと思います。先述したようにTOEICはレベル別の試験ではないので、高得点を出すのに相当時間がかかってしまうからです。
特に300点〜400点台の方は、高校までの文法と単語をやり直すことをお勧めします。
TOEICの活用方法
さて対策が難しいTOEICですが、一体どのようにして使える英語力に結びつけたらいいのでしょうか。
まず言えることは、現在社会人で、海外顧客と取引がある場合は実用的な内容になり得ます。
学生と異なり、オフィスでのやり取りやビジネスメールの読解が日々必要とされる環境だからです。
Part3,4, 6,7は引っ掛け問題が少なく、トレーニングを積めば現場で使える英語力に直結するはずです。
またスピーキングとライティングも鍛えたい場合は、TOEIC L&R(一般的に受験されている方)だけでなくS&W(スピーキング&ライティング)も受験してみると良いでしょう。
学生にとってはあまり実用的な試験内容とは言えないため、まずは英検やTOEFL/IELTSなどの学術的な内容を扱った試験を受験してみることをお勧めします。
TOEFL/IELTSは難易度が高いため、英語に苦手意識のある方はレベル別に分かれている英検が良いかと思います。
就職活動や留学に必要な場合は、スコアを取るだけと割り切って短期間集中で対策をするようにしましょう。
いずれ社会人になったときに、TOEICに出てくる英文も役に立ったなと思えるようになるはずです。
まとめ
TOEIC受験の考え方として、英語ができるようになりたい→TOEICの勉強しようではなく、就職や昇進に必要+海外顧客と取引がある(またはこれからある)場合にTOEICを勉強するべきだと考えます。
英語をこれから伸ばしていきたい方が受ける試験としては、ややハードルが高いことが理由です。
TOEIC自体がみなさんの目的に合っていれば、是非取得したい点数に合った対策をして受験してみてください。