外国人の知り合いが日本に遊びに来るんだけど、何か日本らしい体験はないかなぁ・・
薪能って知っていますか?ちょうどチケットが余っているので、よろしければお譲りしますよ!
能は何となく知っているけど、薪能って何・・・?
野外で行われる、とても幻想的な雰囲気の能のことです。実際にどんな雰囲気だったか、お伝えしていきますね。
本記事の内容
・薪能 鑑賞レビュー
基本知識 そもそも能楽とは何?
まず、能とは一体何でしょうか?
学校の課外授業などで鑑賞したことがあるかもしれませんが、言葉が難しかったり派手な装飾がないため、とっつきにくい印象があったかもしれません。
能は鎌倉時代後期から室町時代前期に、観阿弥・世阿弥によって確立されました。
能面をつけて、音楽に合わせて舞うのが特徴です。
多くの内容は神話や歴史に基づいているので、高尚な内容が多いです。(このため、とっつき難い印象があるのかもしれませんね)
また狂言とは、対話を中心としたセリフ劇のこと。
能と交互に同じ舞台で演じられてきました。
狂言の特徴は喜劇であること。そして歌舞が中心で象徴的な能とは対照的に、写実的な演技であることです。
また、能面を着用しないことも大きな特徴です。
能と狂言を併せて能楽と呼んでいますが、高尚な能とユーモラスな狂言がセットになることで鑑賞しやすくなっていると思います。
近年は、ユネスコの無形文化遺産にも登録され日本が世界に誇る伝統芸能となっています。
参考:能と狂言とは?はじめて見る方におすすめの演目も紹介 | にほんご日和
本題:では、薪能(たきぎのう)とは一体何?
さて、今回ご紹介する薪能とは一体なんでしょう?
薪(たきぎ・まき)は文字通りまきのこと。燃料にする細い枝や割り技のことです。
そして薪能は夏場の夜に、能楽堂、または野外に設置した能舞台の周囲にかがり火を焚いて行われる能楽のこと。
夏を感じられる、とても季節感に溢れた能ですね。
薪能鑑賞レビュー
昨年の10月、実際に薪能を鑑賞した際の様子をお伝えしていきます。
薪能は現在も全国各地で開催されているようですが、東京でも毎年の恒例行事となっています。
今回は、二子玉川ライズの屋上庭園で毎年開催されている、「二子玉川ライズ薪能」にお邪魔してきました。
屋上にある原っぱ広場に能舞台が設置され、とても幻想的な雰囲気。
開演が近くなると、かがり火が灯されて前方座席は暖かくなってきました。
当日は狂言「呼声(よびこえ)」と、能「小鍛冶(こかじ)」が上演されました。
冒頭に能楽評論家による解説があり、大体のストーリーを頭に入れることができました。
演目中の言葉遣いは難しいので、楽しむためには事前にストーリーを知っていることが重要だと感じました。
「呼声」のあらすじ↓
無断で休んだ太郎冠者の元に、主人と次郎冠者が来ます。別人の様な声で留守のふりをする太郎冠者に、主人は色々な節で呼びかけます。「太郎冠者さん、家に居るなら出てきてください」「太郎冠者さんは留守なので、何か伝言があればおっしゃってください」というやりとりから、段々と歌い踊るようになっていきます。
狂言「呼声(よびこえ)」 | にほんごであそぼ | NHK for School
「小鍛冶」のあらすじ↓
一条の院に使える橘の道成(ワキツレ)が、三条の小鍛冶宗近(ワキ)の家に向かいます。帝が不思議なお告げの夢をご覧になったので、宗近に剣を打たせることになったのです。 道成が帝の命令を宗近に告げますが、宗近は剣を打つために欠かせない、相槌あいづちを打ってくれる者がいないと困惑します。そこで宗近は、氏神である伏見の稲荷明神に参ることにします。
すると不思議なたたずまいの童子(前シテ)が現れ、宗近を呼び止めます。童子は、古代中国や日本の剣の霊験を語って宗近を励まし、さらに自分が相槌をすることを約束し、剣を打つ準備をして待つように言うと、稲荷山のほうへ消え失せてしまいました。
稲荷山の下に住む男、または宗近の召使(アイ)が、宗近が剣を打つことになったいきさつや、童子との出会いを語ります。宗近が私宅に戻り、鍛冶の壇を整えて神に祈りを捧げると、稲荷明神(後シテ)が出現。稲荷明神は宗近の相槌をつとめて、剣を打ちあげ、小狐の銘を刻み、道成に剣を捧げます。そして雲に飛び乗り、稲荷山へと帰っていきました。
『小鍛冶』のあらすじ・見どころ / Summary and Highlights of Kokaji | | 能サポ NOH-Sup 能楽鑑賞多言語字幕システム
まとめ
こちらの薪能は毎年大好評でチケットが売り切れているそう。
能楽に興味があるけれど、楽しめるか不安な方はぜひ「二子玉川ライズ薪能」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
専門家による演目の解説付きであり、能の前後はショッピングセンターでお買い物や食事も楽しむことが出来ますよ♪